たからもの
もし誰かに、美容師にとって一番大切なものって何?と聞かれたら
それは僕の中でどうしても譲れない2つがあって
「どちらが一番なのか正直選べないので2つでも良い?」
と答えると思います。
そしてその2つは何かというと
「技術」と「お客様」
たからもの。
本当に美容師の自分にとって一番大切なもの。
何回も何度も失敗し、繰り返し、たまに成功することが嬉しくて夢中で練習し
沢山の先輩やお客様に褒められ、それでも怒られ
不思議とやめようと思った事は無かったな、とか思い出しながら
気がつけばもう何年も何十年もかかって
それでもまだ未完成
未完成で不完全ではあるけれど
沢山のお客様から「ありがとう」を言って頂けるようになり、お金を頂戴する
そしてその頂いたお金で家族を養っていける
それは本当に今まで大切に、大事に、磨いてきた「技術」があるから
今でこそ、こんな時だから、そんな大切で大事な「技術」を教えてくださった
先輩の偉大さや優しさが身に染みます。
歳のせいなのか、またはこんな世の中の空気がそうさせるのか
大切な「お客様」からの言葉が胸にささります
先日、2週間に1度来店くださる10年来の男性のお客様からサロンのオープン直後に電話があり
いつも帰られる時に次回予約されるので電話を受けること自体が珍しく
何故かどうしても僕に替わって欲しいとのこと
前回来店時のカットや対応に不備があったのかな?と少し緊張気味に電話に出ると
「コロナの影響でお店大丈夫ですか?困ってないですか?」
「何なら先々のカット代金くらいなら前払いしますよ!」
突然の、本当に温かい言葉に思わず涙が出てしまい、まともに返答することができないでいると
「何か僕に出来ることがあれば何でも言って下さいね、出来ることなら何でもします!」
何とかお気持ちだけで充分ですとお伝えし、中途半端な感じで終わってしまった電話。
このコロナの騒動が始まってから
沢山のお客様から
「頑張ってくださいね!」
「絶対に閉めないで欲しいから、応援してますから!」
本当に大切な「お客様」からの励ましが
こんな事で絶対に負けてられないと、自分を奮い立たせてくれます。
「技術」と「お客様」
大切なこの2つのたからものがあるから、美容師としての自分がいる意味が在る
何気なく過ごしていた、つい数週間前までの、あの当たり前の日常。
世界中の人々が、少しでも早くあの当たり前の日常に早く戻れますように
そして当たり前の日常が戻ってきた時に
大切な「お客様」をキレイに、幸せにできるように
大切な「技術」を磨き、皆さまに笑顔で会える日を僕も楽しみにしております。